ブログ、お知らせ、採用ページの文章。こうした社外向けの文章を、Notion AIやChatGPTに下書きさせ始めた会社は多いと思います。
書き出しは、確かに速くなりました。それでも、こんな声をよく聞きます。
- AIが出した案から、どれにするか毎回選ぶ
- AIから「この点はどうしますか?」と聞かれて、答えないと先に進まない
- 直してほしい所を伝えるたびに、別の画面を開いて説明し直す
- 気づけば、自分で書くのと同じくらい手を取られている
結論を先に書きます。AIに任せる範囲は、記事の元になる情報を先に渡しておけば、題材選びから本文まで広げられます。 そのうえで、人の確認は外に出る直前の1回に絞る。この記事では、Notion AIで今できる下書きの頼み方を紹介したあと、当社がブログの工程を見直して確認を減らした例をお伝えします。最後に、明日から試せる渡し方と、向く会社・向かない会社の目安をまとめました。
AIに下書きを頼むほど、確認が増えていく
AIに文章を頼むと、人の仕事は「書く」から「確かめる」に移ります。ここまではよく言われる話です。
困るのは、確かめる場面が一つではないことです。案を選ぶ、質問に答える、直しを頼む、仕上がりを見る。一つひとつは数分でも、毎日続く仕事だと積み重なります。忙しい日に1回でも止まると、そのまま止まりがちです。
Notion AIで社内文書の下書きを頼む:今できること
「月に数本、会社のブログを書く」場面で考えてみます。
以前は:白紙から書くか、別の画面のAIに貼り付ける
少し前まで、担当者は白紙から書くか、ChatGPTなど別の画面で下書きを作ってNotionのページに貼り直していました。参考にしたい社内のメモは、自分で探して、自分でAIに貼り付ける。この「探して貼る」が地味に重い作業でした。
今は:ページの上で、社内の情報を見ながら頼める
Notion AIは、書いているページの上でそのまま下書き・書き直し・要約を頼めます。ワークスペースの中の他のページをもとに答えさせることもできるので、「先月の打ち合わせメモをもとに、お知らせの下書きを」といった頼み方ができます。
さらに2026年10月19日の大型更新では、エージェントが長い時間作業を続けられるようになり、実行する前に中身を確かめる「Review for me」というモードも加わりました(Notion公式のリリースノート)。AIに任せる時間が延びるほど、「どこで人が見るか」を道具の側でも用意し始めた、と私は受け取っています。
仕事での使い方:「書く前の決まり」を1ページにしておく
おすすめは、ブログ用の決まりを1ページにまとめておくことです。誰に向けて書くか、書いてはいけない情報(お客様の名前や金額など)、文章の調子。頼むときに「このページを読んでから書いて」と添えるだけで、毎回の説明がかなり減ります。
ポイント 下書き・書き直し・社内情報の参照は、もうNotion AIの中で十分回ります。「書く前の決まり」を1ページにして読ませれば、説明し直す手間も減らせます。
道具がそろっても残る「確認の山」
それでも残るのが、確認の回数です。
決まりのページがあっても、「今日は何について書くか」を選ぶのは人です。AIが迷えば質問が来て、直しは人が言葉にして返す。仕上がりは毎回見る。道具が賢くなるほど、この流れ自体を見直さないと、人の手間は思ったほど減りません。
これは道具の不足というより、工程の組み方の話です。そして当社も、まさにここでつまずきました。
毎朝の確認が多すぎた、当社のブログの工程
当社では、メンバーそれぞれが使うAIを、会社のノートにMCPでつないでいます。MCPは、AIと外の道具をつなぐための共通の差し込み口のようなもので、つながったAIは仕事の途中で会社のノートを読みに行き、決まったことや起きたことを書き足します。ブログを書くAIも、この同じノートを読んで記事を作っています。
それまでの流れは、毎朝AIが3つの案を出し、私が1つ選び、AIの質問に答え、直してほしい時はボタンを押してから返信で中身を書く、というものでした。
10月28日、前の日に記事の書き方の決まりを見直していたので、私はAIに「作る側の仕組みも変わってますか?作る側が変わっていないと内容は変わらない」と聞きました。AIが実物を確かめると、変わっていたのは半分だけ。本文を書く段階が記事の元のメモを読んでいない、私の答えが記事に取り込まれていない、元のメモは直近1日分の記録からしか作っていない、という状態でした。
そこで私が返したのが、この言葉です。
「変えましょう。あと工程を見直しましょう。確認が多くて使いづらいです」
その日のうちに、工程はこう変わりました。
| 工程 | 見直す前 | 見直した後 |
|---|---|---|
| 題材 | 毎朝3案から私が選ぶ | AIが記事の種から1本を選ぶ |
| 本文と画像 | 選んでから書き始める | 本文と画像まで仕上げて届く |
| AIからの質問 | 答えて進める | 仕上がりの知らせに添えるだけ。1日1問、答えるかは任意 |
| 直し | ボタンを押してから返信 | 記事への返信が、そのまま直しの指示 |
| 記事の種の元 | 直近1日分の記録 | 過去30日分の記録 |
| 私の確認 | 選ぶ・答える・直すの何度か | 「公開する」を押す1回 |
ここで効いたのが「記事の種」です。会社のノートには、日々の仕事で決まったことや起きたことが、どのAIからも書き足されています。ブログのAIはそこから、読者がどんな問いを持っているかと、出してはいけない情報は何かを先に整理したメモを作ります。学びが無いと判断した記録には印を付けて、何度も見直さないようにしています。
この種を、題材選びの段階だけでなく本文を書く段階までそのまま渡すようにしました。私が毎回「誰向けで、何を書いちゃだめか」を言わなくても、AIが選ぶ所から書く所まで同じ前提で進められる。確認を減らせたのは、この下ごしらえがあったからです。
自社の文書づくりのどこに確認が溜まっているか、業務改善のご相談では、こうした工程の棚卸しから一緒に見ています。
任せる所と、店主が見る所
ただし、公開前の確認だけは残しました。ブログは、会社の外のお客様が読むものだからです。
飲食店で例えると、仕込みも調理も厨房に任せる。でも、お皿を客席に出す前の一目だけは店主が見る。そんなイメージです。
実際、以前の朝の案の中に、お客様の実際の数字に近い例が入っていたことがありました。使うなら先方の許可が要る、という話です。こういう判断は、外に出る直前の人の目に置いておく方がいい。任せる範囲を広げるほど、最後の1回の確認の意味は大きくなる、というのが私の考えです。
当社の工夫のうち、どこまでがNotion AIでもできるかを分けておきます。
| やりたいこと | Notion AIでは | 当社の工夫 |
|---|---|---|
| 誰向け・書かないことを伝える | 決まりのページを作り、頼む時に読ませる | 記事の種に読者の問いと出せない情報を入れ、本文の段階まで渡す |
| 題材を探す | 社内のページをもとに候補を出させる | 過去30日の仕事の記録から種を作る |
| 実行前に確かめる | Review for meで動く前に確かめられる | 確認は公開直前の1回。質問は1日1問で答えは任意 |
| 直しを頼む | ページの上で書き直しを頼める | 記事への返信がそのまま直しの指示になる |
一つのワークスペースで文章も記録も完結している会社なら、Notion AIと決まりのページでかなりの所まで回せます。当社が工夫しているのは、日々の仕事の記録が自然と記事の元になる所と、確認の回数そのものを減らす所です。
明日からできる渡し方と、向く会社・向かない会社
道具を変えなくても、渡し方を変えるだけで確認は減らせます。
- 頼む前に「誰の、どんな問いに答える文章か」と「書いてはいけないこと」を一組で書いておく。 これがあるだけで、AIからの質問が減ります
- 確認の場面を一度数えてみる。選ぶ・答える・直す・最終確認のうち、外に出る直前以外を減らせないか考える
- AIの質問は、答えなくても先に進める形にする
- 直しは別の手順を挟まず、その場で返すだけにする
会社の記憶まで足すと効く会社。 ブログやお知らせなど、定期的に外へ出す文章がある。日々の仕事の記録が、チャットやAIとの会話のどこかに残っている。文章を書く担当を専任で置く余裕はない。
今の道具で十分な会社。 外に出す文章は月に1本ほどで、確認の多さが負担になっていない。あるいは、書く中身が担当者の頭の中にしかなく、記録として残っていない。この場合は、まず決まりのページを1枚作るところからで十分です。
まとめ AIに文章を任せても続かない原因は、多くの場合「確認の多さ」にあります。読者の問いと出せない情報を先に渡しておけば、題材選びから本文までAIに任せられます。人が見るのは、外に出る直前の1回だけ。
御社の文書づくりで、どの確認を残してどこを手放せるか。何から記録に残すかも含めて、一緒に整理しています。気になった時にお問い合わせから気軽に声をかけていただけたら嬉しいです!


